HEPAフィルターは何をすればよい
お悩み相談室| PURE SPACE
クリーンルームって何?
読んで字の如く、【CLEAN ROOM = 綺麗な部屋】です。
専門的には、コンタミネーションコントロールが行われている限られた空間、となります。
更に専門的にいうと、下記の通りです。
【JIS規格におけるクリーンルーム】JIS Z 8122
空気中における浮遊微粒子が限定された清浄度レベル以下に管理され、また、
その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、
必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件について管理が行われている空間。
【JIS規格におけるコンタミネーションコントロール】JIS Z 8122
限られた空間、製品などの内部、表面又は周辺について、要求される清浄度を保持する為に
必要とするあらゆる事柄について、計画を立て、組織し、実施する
また、必要に応じて温度や湿度のコントロールも行うことで、
より生産や分析、研究に適した空間にしていきます。
クリーンルームの用途はどんなとこ?
大きくは2つに大別され、
①【インダストリアルクリーンルーム(ICR)】
・・・ 半導体や電子部品の製造、精密機器組み立て、化学薬品製造など、各種製造工程においてハイレベルな清浄度が求められる現場に採用されます。
②【バイオロジカルクリーンルーム(BCR)】
・・・ 無菌製剤室、医薬品製造工場、食品製造・加工工場、化粧品製造工場、手術室など、 細菌や微生物の進入に対してハイレベルな制御能力を求められる現場で採用されます。
また、更に危険な細菌・病原菌などを扱う特殊な現場に対しては、【バイオハザードルーム】が採用されます。
清浄度って何?
ある一定の体積中に、規準となるサイズの塵埃がいくつあるかによって表されます。
クリーンルームにおける清浄度を現す規格としては、各国様々なものがありますが、
基準となった規格は、1963年に作成された米国連邦規格【Federal Standard 209D】です。
1立方フィート(ft3)中に0.5μm以上の塵埃が何個存在するかで、クラスを表現します。
この規格でいう『クラス100』、『クラス1,000』といった表し方は、広く一般的に使われ、馴染みのある言い方といえます。
日本のクリーンルーム規格はあるの?
日本のクリーンルーム規格としては、日本工業規格【JIS B9920】があります。
1立方メートル(m3)中の0.1μm以上の粒子数を10のべき乗で表したときの指数で表します。
以前は、各国で独自のクリーンルーム規格が設けられており、
どの基準を採用するか迷ってしまう可能性もありましたが、
国際規格【ISO14644-1】という各国標準の規格規定が登場しました。
このISO規格の登場により、米国連邦規格は廃止、日本のJIS規格についても
ISOとの整合を図る為に2002年に改定がなされました。
その為、新たに指標を決める際には、ISO規格を採用する事が望ましいのですが、
前述の通り、一般的には米国連邦規格による表現が使用されている場合が多いのが実情です。
※弊社も米国連邦規格による表現を用いております。
『クラス10,000』ってどういうこと?
前述の米国連邦規格による清浄度の表し方で、1立方フィート(ft3)中に0.5μm以上の塵埃が
10,000個以下であれば『クラス10,000』となります。
同様に、1,000個以下であれば『クラス1,000』、100個以下であれば『クラス100』となります。
このクラスの数字が少ないほど、塵埃のないクリーンな環境であるといえます。
一般環境はクラスでいうとどの程度?
一般的な事務所で、クラス100万程度、工場でクラス300万程度、街中でクラス500万程度、
空気が綺麗だといわれている田園でクラス10万程度だと言われています。
清浄度はどうすれば分かるの?
パーティクルカウンターで測定するのが一般的です。
多く使われているハンディタイプのものは、1立方フィート(ft3)、つまり28.3リットルを吸引する仕様の製品が多く、
ここでも米国連邦規格209Dが基準とされています。
これは、パーティクルカウンターに内蔵されているポンプの吸引能力が大体2.83リットルであり、 ISO規格の1立方メートル(m3)を吸引するには時間がかかり過ぎてしまう為だと言われております。
クリーンルームを導入すれば完璧?
クリーンルームを導入することで、環境面における塵埃対策については非常に前進した事になります。
しかし、作業環境における発塵源となるのは建屋のみではありません。
そのクリーンルーム内で作業する人間、その中で使用する装置、気流の状況など、発塵源は様々です。
つまり、クリーンルームというハード面のみならず、
その中に存在する作業員も含めたソフト面についても管理をしていく必要があります。
クリーンルームの維持管理のために、重要とされるものが【クリーンルームの4原則】といわれるものです。
クリーンルームの四原則って何?
クリーンルームの維持管理のためには、次の四つを考慮していく必要があります。
①塵埃を室内に持ち込まない。
②塵埃を速やかに排除する。
③塵埃の発生を抑える。
④塵埃を堆積させない。
クリーンルーム内の温度・湿度ってどの程度?
一般的には、温度は23℃±1℃、湿度は50%±2%程度と言われています。 但し、各現場によって求められる環境は異なりますので、これはあくまでも参考数値となります。
クリーンルーム内の環境を維持するための空調システムには非常にコストがかかりますので、
温度・湿度共に精度を甘くしてコストダウンを図る場合もあります。
①温度管理のみを実施して、湿度は成り行きにする場合もありますし、
②温度・湿度共に成り行きにしてしまう場合もあります。
その現場で取り扱うものの性質によって、必要となる環境も変わってくるという事です。
アズワンでもクリーンルームの対応が可能なの?
提携の業者が多数ございますので、対応自体は可能です。
但し、その場合には、詳細な打合せが必要となりますので、まずはご相談ください。
クリーンルームを作る予算はないけど何か方法あるの?
クリーンブースの検討を提案致します。
ここ数年で、一気に【局所クリーン化】という考え方が市場に浸透してきました。
①既設のクリーンルームの中で、更に清浄度が必要な箇所にクリーンブースを設置する、
②新規にクリーンブースを設置する事で、清浄な空間を確保する。
クリーン化(清浄化)が必要だとしても、クリーンルームを一から建築しようとすると非常にコストがかかります。
そこで、クリーン化が必要となる部分だけを囲い、その限られた空間のみを清浄化しようとする動きが強くなってきました。
床は何か特殊な加工が必要なの?
前述の通り、発塵しない・堆積させないということで、平滑面の床にする事をお勧め致します。
一般的には、ロンリューム(長尺塩ビシート)で、壁とのコーナーはゴミが溜まり辛く、
掃除をしやすくする為にR加工をする場合が多いです。
ダウンフロー方式のクリーンルームでは、グレーチングやアクセスフロアを設置します。
また、静電気対策が必要な現場においては、帯電防止のマットを貼付して静電気をアースに逃がす加工を施したり、導電塗料を床に塗布して対策したりします。
クリーン環境の中で有害な薬品を使用するので排気設備を中に入れることは可能なの?
局所排気が必要な薬品を使用される際には、その薬品を規制している法律に適合した局所排気装置を選定する必要があります。
また、局所排気装置が排気してしまう風量分を、別途クリーンエアーとして供給してあげる必要がでてきます。
弊社オリジナルのヒュームフード、エッチングチャンバーと、クリーンブースを組み合わせた
【クリーン化+局所排気】での提案が可能です。
まずはお気軽にお問合せください。
【ASSRE研究設備】サイトはこちら >>
設備も入れたし、もう完璧?
前述の通り、ハード面のみの充実ではクリーン化は上手くいきません。
そのクリーンルーム、クリーンブースといった設備の中で、実際に作業している人間が発塵源となっているが為に歩留まりが全然上がらないという状況になっている実例が多々あります。
ハード面だけでなく、ソフト面でもクリーン化を図っていく必要があります。
クリーン環境下で使用する消耗品をご検討の際には、是非弊社アズピュアもご検討ください。
日々使用する副資材のコストダウンを含めた提案を、弊社専門スタッフが対応させて頂きます。
【アズピュア クリーンルーム環境の静電気対策・防塵商品】サイトはこちら >>
0 コメント:
コメントを投稿